僕のJeep物語<2>

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次は迷彩色に塗るぞー!

推理小説のようなジープ

確かに、治安の良くないカンボジアで、家の前とはいえ、路肩にクルマを停めておいた俺も悪い。カンボジア人はクルマを家の中へ入れてその横でみんな寝てる、くらいクルマを大事にしてる。燃えたから惜しくなった訳ではないが?500ドル、5万円のジープなんて盗むやついないだろう、安心してた自分も悪い。朝になると、シクロやモトのドライバーがこのジープの中で寝てても、仕方ないかくらいに考えていた。でも燃やすことはないだろ!バカやろう!火事になったらどうすんだ!と、だんだん腹が立ってきた。
クルマを売ったMは自分のことのように、燃えた後の処理をこまごまとしてくれた。日本人が持ち主だと何かとややこしいと、警察への手配とか廃車処理とかテキパキとやってくれた。
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何よりその犯人逮捕に全力を傾けていた。彼は警察で働いているから余計だ。
しばらくして、事の真相が見えてきた。なぬー!という感じだ。Mの彼女Kのモト彼、仮にHとすると、そのHが一番あやしいという事だ。kとHは以前付き合っていて、その間、K はHにお小遣いとか洋服とかいろいろ買って面倒見てたみたいで、その中の一つに今回燃えたジープも入っていたのだ。買ってやった訳ではないが、自由に使っていいよ。なんて言ってたみたいで、実際、Hは彼女が働いてる時間は、好きな時にジープを乗り回していたらしい。その彼女が突然、別れるといいだし(新しい恋人Mが出来たため)、当然クルマも自由に使えなくなった。で、しばらくして、Mの家の前にいつも停まってるジープを発見したのだ。 カーツと頭に血が上り、気がついたらガソリンをばらまいて火をつけて逃げた。という事らしい。
ただ本当の真相は、わからない。何故なら、このHはその後、街から消えた(らしい)。街から逃げたのか、ジープと同じく燃えたのか、トンレサップ川へ沈んだのか、わからない。Mに聞いても、ニヤリと笑ってノープロブレムと言うだけだ。おまえは日本人だから知らなくてもいい。と言うことみたい。

燃えてしまったが、今考えると
可愛そうなヤツ


燃えたジープは、ハンドルも燃えて真棒だけの状態だったが、僕が持っていたキーをさしてエンジンを回すと、なんと、エンジンがかかり、とろけたシフトノブをローへ入れてクラッチをつなぐと 何事もなかったように走り出し、そのまま廃車処理か修理工場へむかったのを、今も思い出す。 ひょっとしたら、部品を取り替えて今も走ってるんじゃないかな。
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再生専門のジープ工場がある


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