
ひょんな事から手に入れたジープ |
実はいわくだらけの正に逸品だった
カンボジアに来て、ちょうどクルマがない不便を感じた頃、このジープが手に入った。入ったと言っても買ったんだけど、500ドルで。カンボジア人のMから、彼のガールフレンド=日本人のKさん所有のモノを僕が譲り受けたわけだ。外観はジープだが、中身はちょっと違う。なんたってエンジンは"コロナ"、ジープなのに4WDじゃない、ブレーキオイルのフタには"NISSAN"と刻印がある。タイヤは、ラジアルタイヤに変更済み。メーターはセンターメータだがピクリとも動かない。コクピットはこんな感じかな。 |
エアコンなんかあるわけない。当時付き合ってた彼女とさっそくドライブがてら夕食に誘ったが彼女の仕事が終わる時間に、折悪くカンボジア特有のスコール。彼女は赤いアウディがいいわ、なんて言ってたから、雨が降り込むこのジープでは?うーん、熟慮して、デートをキャンセルした。「ええ、雨が降ると乗れないクルマなの!」なんて言われて、再びその晩熟慮。その後付き合いをやめた。すでにこのジープには妖しいオーらが漂っていたのだが、僕はその時は気にしてなかった。別の○○ちゃんと食事でもいこーっと、と。
|
幌をはずすのも大変。パンクしたらさらに大変。
それでもカンボジアらしいクルマだから自分ではとても満足。ゴルフへも行ったし、○○ちゃんにはこのジープ好評で、ドライブもよく行った。突然ブレーキが効かなくなって無茶困ったこともある。日本から客がきてて、このジープで市内観光してる時だからほんと、冷や汗もの。まさに寿命がチチ縮む思いだった。ブレーキ系統を全部変えないと治らん!カンボジアの修理工場にそう言われて全部交換した矢先、その事件は起きた。
なんと夜中に、ガソリンを室内に蒔いて火を付けられたのだ、このジープ。運良くか、その晩はクルマを家の前において、連れのクルマに便乗して出かけてた、で、そのまま帰らなかった。その家の前でクルマは燃やされた!のだ。僕の家は当時、例のカンボジア人Mの2階を借りていたので、家の前はイコールMの家の前。つまり、僕が居なかったので 火に驚いて飛び起き、あわてて消化したのはMとその家族だ。クルマの室内を燃やして火は消えたようで、家に引火することなく済んだことは、不幸中の幸いだった。それにこのジープ、後ろにポリタンクを積んでいて、前日そこへもガソリンを入れたばかりだった。もし、そこへ火がついたら、大爆発、周りの家も巻き込んでの大火災になるところだった。それもなかったのは運が良かったのか?
でもなぜ?どうして?どうして買ったばかりの僕のジープが燃やされるの?正月でも終戦記念日でもないのに。おれなんか悪いことした?????
|
|