ELEMENTにホンダを感じる

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独創性のホンダの本領発揮はこのエレメントだ。

N360からホンダ1300そしてシビックに

1960年代の日本はトヨタ・日産という2強が乗用車のシエアの80%を占めていた。残りの20%にマツダ・三菱・スバル・いすゞ・ホンダがいた。ホンダはその中でも新参モノ。さらに昔は、ホンダがいなくて、日野・プリンスが乗用車を生産していた。軽自動車にはスバル・スズキ・ダイハツ・マツダ・三菱・ホンダがいた。軽でもホンダが新参モノ。つまり、キャリアの一番若いクルマメーカーがホンダだ。そのホンダが一時的にせよ、乗用車のシェアで日産を抜いたのは奇跡である。アサヒビールがキリンを抜いたのと同じくらい偉大な記録だ。
まずN360で軽に殴り込んだ。このケンカ、見事に勝った。欠陥車騒動があってもN360の首位は動かなかった。続いて一体二重空冷式の高性能エンジンのホンダ1300でサニー、カローラクラスに殴り込んだ!でも、完敗。1300ccで110馬力の驚異の性能も
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として、オデッセイ、ステップワゴンを発売。このRVが大ヒット。一躍、3位グループから抜き出て、2位のニッサンを射程距離に捕らえた。ニッサンのシエアを食ったという言葉が正しい。そして"フイット"が誕生する。ニッサンどころか、王者カローラの年間販売台数の連続首位記録を止める程に売れた"フイット"が、牽引するカタチで"ホンダ"は"ニッサン"を抜いた。業界2位に躍進だ(但し単に乗用車販売台数に限って)。世界的にもベスト10に入る自動車会社になってきた。
50才を越えて本田技研を設立した本田総一郎の魂は、戦後最後発の自動車メーカーを世界でも指折りのメジャー企業に成り上がったのだ。

でも、その分、ホンダらしさが"ガクン!"と落ちた。
ホンダらしさとは、独創性がカタチとなったクルマのことだ。
この"エレメント"に期待する。

New NSXに期待する

つい先頃、国産唯一の本格派スポーツクーペNSXが生産を中止した。バブルの真っ盛りに登場し、登場当初は多数のバックオーダーを抱え、アメリカ逆輸入がプレミアム付きで売れるという、変な現象を巻き起こした。その後15年、改良を重ねながら最後の5年は月産10台前後の生産を続けてた。名車と言われる"TOYOTA2000GT"はわずか5年しか生産されなかった。それに比べれば長い間、国産のスポーツカーの命脈のためだけに造り続けたホンダはノーベル賞ものだ。業界2位になった事より重要だ。
ポルシエの技術者いわく「NSXのようなスポーツカーをつくりたかった」。
フェラーリーいわく「ホンダにフェラーリーはつくれない、しかし、フェラーリーにNSXはつくれない」。
諸外国で評価されるNSXだが、なんかその怪物感というか、偉大感というか、要するにカリスマ性が欠けてるのが難点だ。ポルシエやフェラーリーといったブランドに対抗するには、如何せん歴史が足りないのが現実だ。でも、その分の、冒険が欲しい。ホンダなんだから。次のNSXは"V10""500馬力オーバー"の正に駑級のスーパースポーツになるという。
ドイツとイタリアにできて日本に出来ないクルマ。その言葉は、新型のNSXが出現するまでの、あと少しの間だけ言わせといてやるさ。「ま、今日はこのぐらいにしといたる。」

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