GOLF GTIとGOLF R32

back.GTI.jpgGOLF.R32.jpg

綿々と続くGTIの歴史

初代ゴルフにGTIが加わった時人々は歓声をあげた。1600cc105馬力のフユエルインジェクション付きのエンジンがゴルフのボデイで唸りをあげると、アウトバーンの追い越しレーンを極めて安心して独占することができたからだ。当事、追い越しレーンはベンツ、ポルシエ、BMWの専用レーンといって差し支えなかった。そこへ総重量1トンを切る国民車のゴルフが安定して走行できることに人々は拍手を送った。飛ばすだけなら、アクセルを床まで踏み付ければできる。GTIの路面に吸い付くように安定し、コーナーでも挙動が乱れることなくハイアベレージを維持できる性能に、人々は驚いたのだ。

時が過ぎ、DOHC16バルブの2ndゴルフGTIが登場し、GTIのスペックが、世界とりわけ日本のGT達に見劣りしなくなってから、何故かVWはGTIを疎外した。何の変哲もない、ただ、グリルに赤の縁取りがあるだけで、AMGベンツやMと対等に走ることに飽きたかのように、3rdゴルフ、4thゴルフの各GTIは刺激性を外してしまった。そういえば1stと2ndのGTIのエンジンはクレージーなくらいよく回った。

そして4thゴルフが次代のゴルフ5thにチエンジするほんの1年前の2003年1月、R32なるV6、4駆のスペシャルゴルフが突如登場した。 241馬力のゴルフ史上最高のパワーを18インチの4輪で受け止め、新開発の6速ミッションで操縦する、ゴルフ史上最高のゴルフの誕生だ。R32の”R”はVWレーシングの”R”だ。今後VWは高性能スポーツを"Rライン"で統一する方針らしい。それから一年を待たずして5thにチエンジしたゴルフには"GTI is BACK"と称して、かってのGTI を思わせるエキサイテイングな赤グリルをまとって"GTI"が戻ってきた。

このGTI、本当のカムバックだ。何故ならアウトバーンをベンツと連れ立ってクルージングすることになんの違和感がなく、ポルシエと一緒にピレネー山脈をローリングすることも問題ない。そして、GTIを楽しむための"牙"も確保している。初代のコンセプトを見事に再現している。個人的には黒の4ドアGTIがいい。グリルの赤ラインがシャキッと映えるから。
*でも最近新型のR32が本国で発売された。

VWの歴史はDBBからはじまる

偉大なビートル。この成功が今のVWを支えていることに異論はないだろう。そして、ビートルの成功は実は広告産業の成功と密接な関係がある。
VW.AD4.jpg
1959年(昭和4年)この一枚の広告が広告界の歴史を変えた。大型でとんでもなくガソリンを消費するアメリカ車に対するビートルの挑戦状である。内容は実にシンプル。大きなクルマがステータスの時代に、”クルマは小さいことが理想”と謳っている。
この広告コンセプトは50年後の現在(環境問題を抱える今)にそのまま通用するそれだ。 VWははるか昔に、省エネコンセプトを立ち上げていたのだ。日本では、ちょうど最初のブルーバードが発売された年だ。(唖然とする)
VW)AD01.jpg
続いてのシリーズは”レモン”。これは工場の不良品を表現する言葉だ。しかし、画面にいるビートルは一見完成品となんらかわらない。わずかな不良箇所があったから 工場出荷を止めた。とボデイコピーが訴えている。(うまい!)
VWad.02.jpg
経済曲線でビートルのシルエットを描いた作品と、もう一点は
”私達はビートルを殺します”のキャッチコピー。年々改良するビートルは、いつも旧型という屍を乗り越えて生まれている。何よりタイトルの強烈さが、一気にボデイコピーを読ませる。
VW.AD3.jpg
33年愛用のフオードに並ぶビートル。この時代に、33年前から自家用車を持ってるオーナーが存在すると言うことは、アメリカはホントに巨大で偉大な国だ。日本の1926年頃なんて、クルマどころか、自転車も持ってないのでは-----。

*DDBとは無名の存在からクリエーテイビテイで大きく成長したアメリカの広告代理店です。ことにビートルの広告は足掛け17年間続き"DDB"と"VWビートル"は共に存在感を強くした。


thomTOM, およびtTt_factoryは商標および登録商標です。
E-mail:thom7gashima@yahoo.co.jp © 2005 tTt All rights reserved ™